かつて、うつ病ははっきりと目に見える病気ではなかったがために、さぼり病などと呼ばれこの病気になった人は社会から冷たい目で見られる風潮が根強く残っていました。

しかしながら、景気が悪くなり社会全体が余裕がなくなる中で徐々にこの認識を改めていかざるを得なくなりました。つまり、不景気による人員増員が認められずに一人あたりにおける長時間労働が常態化、蔓延していくことと、長時間労働やそのほか人間関係の複雑化による精神疾患に対する理解が進んできていると言えます。

社会がようやくこのうつ病について理解が進む中で、それでもまだなかなか旧態依然として改善が進まない業種であり、自殺者も多い職種の一つがシステムエンジニアです。

クライアントからのシステム納品期限が厳重であり、しかも他社との競合を制する中で予算をかけられない状況も存在するといったこの職種は、予算がなければ一人あたりの労働時間を長くすることで対応をしていくという従来の流れが、システムエンジニアの精神をどんどん追い詰めていきました。長時間労働はこのうつ病発症の主たる要因の一つでもありますので、それを助長する企業体質が存在しているシステムエンジニアで発症するのはある意味自然な流れだとも言えるでしょう。

このような中で、労働安全衛生法や同規則が精神疾患患者に対する対応についてもしっかりと触れられるようになっており、システムエンジニアを雇用する企業においてもその順守が求められているところです。

ただし、システムエンジニアとして活躍する人は、自分が勤める企業の対策を待つだけでなく、自らのことは自らで守る必要があります。激務の中でうつ病を発症しないために、メンタルケアを施しておくことも忘れないようにしましょう。インターネット上にも、システムエンジニアのうつ病対策などが多数紹介されていますので、自分に合うケアをぜひ見つけてみてください。